【3月8日 AFP】中東を管轄する米中央軍(US Central Command)のジョセフ・ボテル(Joseph Votel)司令官は7日、シリアで活動する各同盟勢力はイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に対し「警戒を怠らず攻勢」をかけ続ける必要があると述べ、物理的拠点を排除してもISは組織として残っており、復活の準備はできていると指摘した。

 数か月後に退任予定のボテル司令官は米下院軍事委員会(House Armed Services Committee)の公聴会で、「物質的なカリフ制国家の縮小は記念碑的な軍事的成果だが、ISIS(ISの別称)と暴力的な過激思想に対する戦いは終結には程遠く、われわれの使命は変わらない」と発言。

「カリフ制国家の残った拠点から避難したISISの人々は、その多くが後悔の念を持たず、屈することなく、過激思想を持ったままだ。今や広く分散・分解したこの組織に対し、われわれは警戒を怠らず攻勢をかけ続ける必要がある」との考えを示した。

 ボテル司令官は対IS戦の次の段階として、潜伏しながらも依然として過激思想を持つ指導者や戦闘員、支援者からなる「分解した組織」に対処することになると指摘した。

 ボテル司令官による今回の警告の約3か月前、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領はISに対する勝利を宣言し、シリアから米軍を完全撤退させるとの電撃発表を行っていた。(c)AFP