【3月7日 AFP】昨年、メキシコ国境から米国へ入国しようとして中米諸国から移動してきた移民集団(キャラバン)を取材していたジャーナリストらについて、米当局がひそかにデータベースを作成していたことが、米NBC系列のテレビ局の報道で暴露された。

 カリフォルニア州のNBC系列局、NBCサンディエゴ(NBC San Diego)によると、文書の漏えい源は国土安全保障省の匿名の人物。リストには、当局が米メキシコ国境で検査を要すると考えた人物が列挙され、米国籍の7人を含むジャーナリスト10人、米国人弁護士1人、米国やその他の国の市民47人の名前が挙がっているという。

 同じ系列の「NBC 7」によると、「ボーダーエンゼルス(Border Angels)」や「国境なき人々(Pueblo Sin Fronteras)」といった移民権利団体の支援者なども対象とされ、中にはパスポート(旅券)に当局が警告情報を含ませていた例もあった。実際に国土安全保障省では、リストアップされた各人に関する人物調査書も作成していたとされる。

 情報源となった人物は、「われわれは犯罪捜査機関であり、情報機関ではない」「わが省では個人に関する人物調査書を作成することはできないのに、作成している。これは国境捜査権の乱用だ」と述べているという。(c)AFP