【3月7日 AFP】アイルランドの首都ダブリンにある聖ミッチャンズ教会(St Michan's Church)の地下室が先週何者かに荒らされ、「十字軍戦士(Crusader)」の名で知られる800年前のミイラの頭部が盗難に遭った事件で、警察当局は5日夜、盗まれた頭部を回収したことを明らかにした。

 警察は「聖ミッチャンズ教会の地下室から持ち去られた『十字軍戦士』の頭部と、もう一つの頭蓋骨を回収した」と発表した。事件の捜査は継続中だという。

 マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)ダブリン大主教は、「うれしく思う」とコメント。捜索は警察に任せていたとし、これで今後の警備体制や展示方法の検討に集中できると述べた。

「十字軍戦士」は、中東の聖地エルサレム奪還を目指すキリスト教徒の「十字軍」の遠征に参加し、遠征中か帰還直後に死亡した男性のミイラとみられることから、この呼び名がついた。

 1095年創建の聖ミッチャンズ教会は、ダブリンでも人気の観光名所。アイルランド人作家ブラム・ストーカー(Bram Stoker)が怪奇小説「吸血鬼ドラキュラ(Dracula)」の着想を得た場所と言われている。(c)AFP