【3月7日 AFP】中国の首都北京で開催中の全国人民代表大会(National People's Congress、全人代、国会に相当)の分科会で、チベット自治区を代表する高官らは6日、チベットではチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世に対する幅広い支持はなく、一般の人々は中国共産党が「幸せな生活をもたらした」ことに感謝していると強調した。
 
 今週はチベット動乱から60年の節目を迎える。ダライ・ラマは動乱の最中、インドに亡命した。

 中国政府はチベットを政治的・宗教的に弾圧していると批判されている。一方中国はチベットを「平和的に解放した」と主張、チベット人は広範な自由を享受し中国はチベットに経済成長をもたらしたと強調している。

 チベット自治区の呉英傑(Wu Yingjie)共産党委員会書記は、全人代の分科会で「ダライ・ラマは亡命以降、チベット人に一つも良いことをしてこなかった」と指摘。「チベット人は心から感謝の念を抱いている。共産党が幸せな生活をもたらしたことに感謝している」と述べた。

 チベットでは2009年以降、少なくとも150人のチベット人が中国の影響力に抗議し焼身行為をはかり、そのうちのほとんどが焼身による負傷で死亡している。(c)AFP