【3月7日 Xinhua News】中国四川省の成都華希昆虫博物館の昆虫専門家がこのほど、雲南省普洱(Puer)市とミャンマーとの境界地域で、これまでに知られている中で最大となるスズメバチを発見した。

 この中国オオスズメバチ(Vespa mandarinia)は世界で最も大きなスズメバチの種で、一般にスズメバチもしくはオオスズメバチと呼ばれている。主な生息地はアジア東部と南部の温帯・亜熱帯地域となっている。

 同博物館が雲南省で実地調査を行った際、普洱地域に巨大な中国オオスズメバチが存在することを発見した。体長は6センチを超えており、羽を広げると9.35センチに達した。この大きさは、世界でこれまでに知られている5000種以上のスズメバチの中で最大で、記録を更新した。

 普洱地域の中国オオスズメバチがなぜこれほど巨大なのかについて、同博物館の趙力(Zhao Li)館長は、普洱地域は北回帰線付近に位置し、冬が非常に短いため、エサを捕食し成長する期間がほかの分布地のスズメバチよりも長いからではないかと推測している。

 他のスズメバチが木の上に巣を作るのとは異なり、これらの巨大なスズメバチは、地面の下に巣を作る。台湾地区ではかつて、土中のハチの巣を誤って踏みつけた牛が刺されて死んだ事故が何度も報道されていた。オオスズメバチのさなぎは味が良いため、雲南省などの地元の村人は、ハチの視力が低下して攻撃能力が大幅に弱まった夜間に、ハチの巣を掘り起こしてさなぎを捕まえている。

 趙氏は、今回発見された超巨大な中国オオスズメバチが、独立した亜種あるいは種なのかどうかを証明するため、さらに研究を進めると述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News