【3月6日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するフェラーリ(Ferrari)が、マシンなどで表示していたたばこ会社のプロジェクト名のロゴについて、今季開幕戦のオーストラリアGP(Australian Grand Prix 2019)ではすべて外されることが決まった。チーム関係者が6日に明かした。

【写真】1995年当時のフェラーリのマシン

 外すのは米たばこ大手フィリップモリス(Philip Morris)のプロジェクト「ミッション・ウィノウ(Mission Winnow)」のロゴ。たばこ広告に関する法律に違反している可能性があるとして、オーストラリアの地元当局が調査していることを受け、フェラーリはすでに登録チーム名から外すことを決めていたが、フィリップモリスが広報を通じて、オーストラリアGPではマシンやスーツでも表示しないと発表した。

「ミッション・ウィノウは今後も2019年のスクーデリア・フェラーリの冠スポンサーであり続ける」「しかしながら、その形はオーストラリアとその他の国とでは異なったものになる。詳細については、メルボルンでのレース前の準備期間に発表する」

 国際自動車連盟(FIA)はたばこ関連の宣伝広告を禁じているが、資金繰りに苦労する各チームにとって、たばこ会社のスポンサーとしての魅力は近年高まっている。その中でフィリップモリスは、科学研究をする子会社を通じて昨年10月に再びF1のスポンサーに参入を果たし、フェラーリのマシンには「ミッション・ウィノウ」のロゴが使用されていた。

 同月に開催された日本GP(Japan Grand Prix 2018)で大々的に披露されたこのロゴについては、レースを放送したテレビ局がたばこ広告を禁じる規則に抵触したかをめぐり、オーストラリア通信メディア庁(ACMA)が調査に乗り出していた。また、メルボルンのあるビクトリア(Victoria)州政府も同様に、物議を醸しているブランディングに関して調査を行っていた。

 フィリップモリス側は、ロゴを外すことには同意したものの、「当社の活動に関わる世界中のあらゆる法律を順守している」点は引き続き確信している。

 会社は「ミッション・ウィノウはフィリップモリスブランドのたばこや電子たばこ製品を宣伝、広告するものではない」「プロジェクトの目的は、先入観に疑問を持ち、議論を活発化させること。特にイデオロギー上の理由から、社会を前進させる科学の力をめぐる議論にまだ参加していない人たちを巻き込むことだった」と述べている。(c)AFP