【3月5日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するフェラーリ(Ferrari)が、広告に関する規定違反で調査対象となっている中で、今季開幕戦のオーストラリアGP(Australian Grand Prix 2019)のエントリーリストに記載された正式なチーム名から、チームスポンサーである米たばこ大手フィリップモリス(Philip Morris)のプロジェクト名「ミッション・ウィノウ(Mission Winnow)」を削除した。

 今月17日に豪メルボルン(Melbourne)で決勝が行われる今季開幕戦を前に国際自動車連盟(FIA)が発表したエントリーリストで、フェラーリはチーム名を「スクーデリア・フェラーリ・ミッション・ウィノウ(Scuderia Ferrari Mission Winnow)」から「スクーデリア・フェラーリ(Scuderia Ferrari)」に変更した。

 FIAはたばこ関連の宣伝広告を禁じているが、フィリップモリスは科学研究をする子会社を通じて昨年10月に再びF1のスポンサーに参入を果たし、フェラーリのマシンには「ミッション・ウィノウ」のロゴが使用されていた。

 同月に開催された日本GP(Japan Grand Prix 2018)で大々的に披露されたこのロゴについては、レースを放送したテレビ局がたばこ広告を禁じる規則に抵触したかをめぐり、オーストラリア通信メディア庁(ACMA)が調査に乗り出していた。また、メルボルンのあるビクトリア(Victoria)州政府も同様に、物議を醸しているブランディングに関して調査を行っていた。

 オーストラリアGPにおいて、問題のロゴがフェラーリのマシンをはじめ、ドライバーのヘルメットやレーシングスーツからも削除されるかは明らかになっておらず、同チームやフィリップモリスからも現時点でコメントは出ていない。

 オーストラリアGPコーポレーション(AGPC)は5日に発表したコメント文で、レース主催者としてフェラーリ関係者および州政府と「緊密かつ生産的に作業を行い」、この問題に関して「適切な結果を導いていく」意向を示した。

 F1で各チームが資金難に直面している中、たばこ産業の宣伝広告はここ数年で需要が増している。(c)AFP