【3月5日 AFP】シリアで米軍主導の有志連合による空爆支援を受けるクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」は4日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」がシリア最後の拠点とする東部の村バグズ(Baghouz)に攻め入り、「人間の盾」とされていた民間人を避難させた。

 SDFは先月9日、ISをシリア東部の最後の拠点から掃討する「最後の戦い」を開始したと発表。その後、一時攻撃を中断して住民らの多くを避難させ、先週末にバグズへの最終攻勢を開始。ISが樹立を宣言した「カリフ制国家」の最後の一角を死守するISの戦闘員らに対し、SDFは有志連合の援軍とともに猛攻撃を仕掛けた。

 しかしSDF側は、バグズの中に民間人がまだ残っていたために攻勢を緩め、避難させていたことを4日になって明らかにした。

 SDFの報道官は「3日から4日にかけて、ISの家族や降伏した戦闘員ら800人以上がバグズから脱出した」と明かした。さらに別の報道官は「人間の盾として拘束されている民間人が少数いたことから、バグズへの攻撃を緩めている」と説明した。

 対バグズ空爆は4日に入って3回行われ、巨大な煙が空に向かって立ち上る様子がみられた。(c)AFP/ Rouba El Husseini and Emmanuel Duparcq