【3月5日 AFP】中国で身柄を拘束されたカナダ人元外交官のマイケル・コブリグ(Michael Kovrig)氏について、中国の国営新華社(Xinhua)通信は4日、スパイ行為と国家機密窃取の容疑が掛けられていると報じた。カナダで拘束された中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ、Huawei)の幹部が米国への身柄引き渡しの可能性に直面する中、両国の対立激化につながる展開だ。

 新華社通信はさらに中国当局の話として、同国で拘束されているもう一人のカナダ人で実業家のマイケル・スペーバー(Michael Spavor)氏は、コブリグ氏が利用していた主な情報提供者の一人だったと伝えた。

 コブリグ氏とスペーバー氏は昨年12月、カナダ当局が米国の要請に基づいてファーウェイの孟晩舟(Meng Wanzhou)最高財務責任者(CFO)を逮捕した数日後に、相次いで身柄を拘束された。両氏の拘束については、孟CFOの逮捕に対する報復との見方がある。

 中国当局は当初、両氏は国家安全保障を危険にさらした容疑で捜査対象となっていると説明していた。スパイ罪で有罪となれば、さらに厳しい量刑が科される可能性がある。

 新華社の報道を受け、カナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相は記者団に対し「中国の姿勢を非常に憂慮している」と表明し、カナダ側は中国が両氏を「恣意(しい)的に拘束」したとみているとの見解を繰り返した。(c)AFP