【3月5日 AFP】ここはマレーシア首都クアラルンプールの南西にある海沿いの町クラン(Klang)にある人魚の泳ぎ方を学べるスイミングスクール。5人の女性たちがプラスチック製の尾びれをきらめかせ、水中を滑るように泳ぎ回っている。

 人魚は伝説の生き物だが、デンマークの作家ハンス・クリスチャン・アンデルセン(Hans Christian Andersen)の童話を原作としたディズニー映画『リトル・マーメイド(Little Mermaid)』の影響もあり、近年になって人魚とその泳ぎ方に新たな関心を集めている。クランのスイミングスクールも、人魚人気の高まりを受けて世界各地につくられたスクールの一つだ。

 スクールのプールでは、ビキニのトップスと人魚の尾びれ姿の女性たちが、水中で泳ぎ回ったり、宙返りをしたりしている。その間ずっと、目を閉じないようにと真剣だ。

 水中で目を開け続けるのは「かなり大変なんです」と、コー・イー・シェン(Koh Yi Xuen)さん(27)は明かす。コーさんは特殊な人魚泳法のレッスンを受け始めて約3年になるという。「水の中でも目を開けてなきゃいけないし、両脚を固定したまま泳ぐんですよ」

 このスイミングスクールでは現在、5人のインストラクターが人魚泳法を教えている。これまでに、人魚姫のように泳ぎたいという女性たち約500人がレッスンを受けたそうだ。(c)AFP