【3月4日 AFP】エジプト政府は3日、地中海沿岸都市アレクサンドリア(Alexandria)にある2000年前のカタコンベ(地下墓地)を海面上昇から保護する工事を完了したと発表した。

 このたび保全工事が行われたのはコムエルシュカファ(Kom al-Shoqafa)のカタコンベ。エジプト国内のカタコンベとしては最大とみられているが、1900年に発見されて以降、海面上昇の脅威にさらされてきた。

 コムエルシュカファのカタコンベは1~4世紀に使用され、古代エジプト、ギリシャ、ローマの技術が融合した埋葬施設として知られている。

 海面上昇対策としてエジプトは2017年、米国際開発局(USAID)の支援を受けて大規模な排水路整備事業に着手していた。

 ハリド・アナニ(Khaled el-Anany)考古相は記者会見で、排水路整備事業が「100年以上にわたってこの地を脅かしてきた問題を終わらせた」と述べた。

 2011年の「アラブの春」以降の混乱で打撃を受けた観光業の復活を目指し、近年エジプト政府は国内全土で考古学的遺跡の発見に力を入れている。(c)AFP