【3月4日 AFP】アルジェリアのアブデルアジズ・ブーテフリカ(Abdelaziz Bouteflika)大統領は3日、4月に予定されている大統領選挙で再選されても、任期を全うせず早期に辞任する意向を示した。4期20年にわたり大統領を務めたブーテフリカ氏の立候補に対しては、各地で大規模な抗議デモが繰り広げられている。

 2013年に脳梗塞で倒れたブーテフリカ氏は、国営テレビで読み上げられた書簡で「国民会議」を開いて繰り上げ大統領選の期日を決めるが、その選挙に自身は立候補しない意向を示した。

 ブーテフリカ氏の書簡は「私はその選挙に立候補しないことを誓うものであり、その選挙では非の打ちどころのない静穏と自由、透明性のある状況で私の後継者が選ばれる」としている。この動きは、政府にとってここ数年で最大の危機となっているブーテフリカ氏5選に反対する大規模な抗議デモの鎮静化を狙ったもの。

 この発表のすぐ後に、ブーテフリカ氏の選挙陣営の責任者は4月18日投票の大統領選立候補届け出の締め切りである4日午前0時(日本時間同8時)を前に正式に立候補を届け出た。これに反対する若者らは、首都アルジェをはじめアルジェリア各地で数百人規模のデモ行進を行った。

 アルジェリアの旧宗主国フランスでは3日、パリやマルセイユ(Marseilles)などでブーテフリカ氏立候補への抗議デモが行われ、数千人が参加した。

 パリ中心部のレピュブリック広場(Place de la Republique)では、デモ隊が「(ブーテフリカ大統領は)辞めろ、辞めろ」とシュプレヒコールを上げた。プラカードを掲げ、アルジェリアの国旗を身にまとった参加者もいた。(c)AFP