【3月3日 AFP】オーストラリアにある観光地の島で、ディンゴ(オーストラリアに生息する野生犬)に観光客の親子が襲われる事故が発生し、当局は3日、親子を負傷させたディンゴ2匹を安楽死させたと発表した。同島でのディンゴによる襲撃は、この1か月余りで2度目。

 現場となったは、オーストラリア北東部クイーンズランド(Queensland)州沖にあるフレーザー島(Fraser Island)。世界最大の砂の島である同島は、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)にも登録されている。

 救急当局によると、母親の女性とその息子は2月28日夜、自動車から降りた直後にディンゴの群れに遭遇。

 クイーンズランド州救急サービス(Queensland Ambulance Service)のマイケル・オーガスタス(Michael Augustus)報道官は、「二人はパニックになり、車に駆け戻ろうとした。しかしその時、ディンゴの群れに追い掛けられて襲われた」と説明した。

 オーガスタス氏によると、フランス人観光客とみられる女性は主に脚の下部に複数のかすり傷を、息子は両脚、両腕、顔にひどい傷を負ったが、付近の病院に搬送され、容体は安定している。

 現地メディアは親子の年齢について、母親が20代、息子は9歳と報じている。

 州環境当局の発表によると、クイーンズランド州公園・野生生物局(QPWS)は1日、レンジャー隊員が襲撃に関わったディンゴ1匹を捕獲し、安楽死させた。さらに3日にはもう1匹を安楽死させたという。

 フレーザー島では1月に、6歳の少年が砂丘を駆け上った際にディンゴにかまれる事故が起きたばかり。(c)AFP