【3月3日 AFP】米国のバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員(バーモント州選出)は2日、2020年大統領選の自身初となる選挙集会を開き、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏という「米近代史上最も危険な大統領」を打倒すると約束した。

 会場となった生まれ故郷のニューヨーク・ブルックリン(Brooklyn)地区にある母校ブルックリン大学(Brooklyn College)には、数千人の聴衆が集まった。サンダース氏は自信あふれる声で、今では民主党の主流とみなされているリベラルで市民中心主義的な多くの政策について語った。

 サンダース氏は集まった聴衆に謝意を示し、自身の選挙運動は民主党の指名獲得や「米国の近代史上最も危険な大統領であるドナルド・トランプ」を打倒するだけのものではないとして、「みなさんの支援を得て、われわれはこの国を変え、最終的にはあの1%の(富裕層の)人たちだけではなく、私たち全員のために機能する経済と政府を築くつもりだ」と語った。

 また選挙運動では、「われわれの政府の基本原則は貪欲、憎悪、うそではないと声を大にして明確に訴えていく」と約束した。

 さらに、労働者階級のユダヤ人移民の息子として生まれ、貧困の中で成長した自身の生い立ちも強調した。「私には豪華な超高層ビルやカジノ、カントリークラブを建てるために何百万ドルもの金を出してくれる父親はいなかった」「私は3歳から毎年20万ドル(約2200万円)の小遣いをくれる家の生まれでもない」とトランプ氏を当てこすった。

 サンダース氏は2020年大統領選の目玉公約として掲げる「国民皆保険」や最低時給15ドル(約1680円)、気候変動対策についても詳しく説明した。多くは同氏が以前から掲げてきたものだが、これまでは急進的過ぎるとして民主党穏健派に拒絶されていた。しかし今では論点として広く受け入れられており、他の進歩主義的候補もその多くを採用している。

 サンダース氏が大統領選に立候補するのは、2016年に民主党の予備選でヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)元国務長官に敗れて以来2度目。無所属のサンダース氏はまず、既に混戦の様相を見せている民主党予備選で指名獲得を目指す。(c)AFP/Catherine TRIOMPHE