【3月2日 AFP】マレーシア警察は1日、同国北部のペルリス(Perlis)州の海辺でミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)34人が発見されたことを明らかにした。海路でマレーシアに逃れて来たロヒンギャ難民の集団が発見されたのは、2018年4月以降初めて。

 2017年8月にミャンマー軍がロヒンギャへの弾圧を開始して以降、約74万人のロヒンギャがミャンマーからバングラデシュに逃れ、多くの難民が収容されていたキャンプに流入した。

 AFPの取材に応じたマレーシアの地元警察官によれば、ロヒンギャ難民が発見されたのは、ペルリス州にある周囲から隔絶された海岸地帯。地元紙ニュー・ストレーツ・タイムズ(New Straits Times)によると、地元の村民らがぬかるんだ海岸で発見した際、ロヒンギャ難民らの多くは泣いていたという。

 警察官は、ロヒンギャ難民は「疲労して衰弱し、おなかをすかせている様子だった」と説明。成人男女と子供らから成るこの集団を入国管理局で保護していることを明らかにする一方、密入国請負業者によって近隣国タイからマレーシア領海に闇に紛れて船で運ばれて来たのではないかとの考えを示した。

 イスラム教徒が多数を占める比較的豊かな国マレーシアは、ロヒンギャにとっては格好の避難先となり、同国でロヒンギャは、農業や建設業などの低賃金産業の労働力を担っている。(c)AFP