【3月2日 AFP】アルジェリアの首都アルジェで1日、4月に予定される大統領選挙への現職アブデルアジズ・ブーテフリカ(Abdelaziz Bouteflika)氏(81)の5選出馬に抗議して数万人がデモを行い、参加者と警察の衝突により警官数十人が負傷した。ブーテフリカ氏は1999年から大統領職にあるが、2013年に脳梗塞で倒れて以降は車いす生活が続き、公の場にほとんど姿を現していない。

 警察は、アルジェでのデモで警官56人、デモ参加者7人が負傷したほか、45人を逮捕したと発表した。

 デモにはあらゆる年代の男女が参加し、禁止を無視して市の大通りを行進。国旗を振りながら、4月18日の大統領選に出馬するとのブーテフリカ氏の判断に抗議した。

 治安筋によると、アルジェのほかにも、同国第2の都市オラン(Oran)や第3の都市コンスタンティーヌ(Constantine)など多数の市町でデモが行われた。

 デモの規模は多方面に驚きを持って受け止められ、政権が近年最大の難局にあることの象徴となっている。

 参加者はソーシャルメディアでの呼び掛けに応じて集まった人々で、今回のデモの目的について、4期20年の在任期間をさらに延ばそうとするブーテフリカ氏の動きだけでなく、支配層のエリート全体に抗議することだと述べている。

 ブーテフリカ氏は2月24日、空路スイスに向かい、現在も帰国していない。大統領府は、スイス行きは「定期健診」のためだとしている。

 ブーテフリカ陣営の選対本部長は一連のデモにもかかわらず、同氏は期限の3日までに立候補の届け出をすると述べている。(c)AFP/Abdellah Cheballah