【3月8日 CNS】最近の中国で、「多くのレストランが手数料などの原因により出前業務から撤退している」という文章があるSNSで発表された。実態はどうなのだろうか。里昴証券市場調査部門(China Reality ResearchCRR)は中国23都市のレストラン81店を訪ね、さらに50都市の消費者680人から聞き取りを行い、中国の出前ビジネスの現状と発展の見通しについてまとめた最新の調査報告書を発表した。

 調査を受けたレストランの経営者は、「売り上げ全体に占める出前サービスの割合は年々高くなってきており、出前サービスは無くてはならないものとなった」という。大都市の料理・飲食業の売り上げに占める出前の割合は、2017年の20%から18年には23%へ増加した。地方都市では、17年の14%から18年の16%へと上昇している。

 インターネット上のプラットフォームを通して出前を予約する割合も、年々増加している。18年上半期の出前ユーザーの占める割合は大都市で80%、地方都市は75%だったが、15年上半期にさかのぼるとそれぞれ38%と29%と低く、この数年で大幅に増えたことが分かる。

 18年9月に上場したEC出前大手の美団(Meituan)は、世界最大の料理・飲食の出前サービス企業だ。CRRは今回の報告の中で詳細調査を行い、「美団が中国の料理・飲食業でトップの地位にあり、最も前途の明るいプラットフォーム」だとしている。

 15年10月に美団とECグルメ大手の大衆点評(Dazhong Dianping)が合併後、「1+1>2」のシナジー効果が出ている。複数のプラットフォームを使いレストランを運営している経営者は、「美団経由で入ってくるオーダーが一番多い。大衆点評と一緒になったら、うちの店の知名度も上がって注文が増えた」と語る。(c)CNS/JCM/AFPBB News