【3月1日 AFP】国際ラグビー選手会(IRPA)の会長を務めるアイルランド代表のジョニー・セクストン(Johnny Sexton)は28日、ワールドラグビー(World Rugby)が12チームによる新方式の大会「リーグ・オブ・ネーションズ(League Of Nations)」を発足させようとしていることについて、選手側の懸念を完全に無視していると主張した。

 ワールドラグビー(World Rugby)のアグスティン・ピチョット(Agustin Pichot)副会長を中心に協議されている、サッカーのUEFAネーションズリーグ(UEFA Nations League)の流れをくむこの大会の計画に関して、2018年の年間最優秀選手に選出されたセクストンは、ワールドラグビーが選手の安全よりも商業的利益を優先していると批判した。

「(12年契約の)リーグ・オブ・ネーションズ」と呼ばれる新リーグは、特に南半球の中でラグビー界が経済的に苦しんでいる国に利益をもらたす可能性があるとの見方がされている。

 しかし、先月26日に世界トップ10のうち9か国の主将ら40人の選手が出席して開かれたIRPA評議会の電話会議を終えたセクストンは、物事が早急に進んでいる状況に明確な不快感を示した。

 セクストンは「昨年末の会合で選手たちがこの件に関して慎重な姿勢を示していた中で、われわれが(昨年)11月にワールドラグビーに提起した重要な問題についてはまったく考慮されないままに、将来の大会に関するスポンサー契約の交渉が速いペースで進んでいるようだ」とのコメント文を発表した。

「選手の負担に関しては一度も話題に上っていないようだが、その問題は正しく認識されるべきである」「非常にハイレベルな五つのテストマッチを11月に毎週のように行うという提案は、まったく現状を把握していないことに加え、このスケジュールによってもたらされる肉体的疲労に関して、ほとんど理解していないことを示している」

■「まだ何も決まっていない」

 しかしながら、現役時代にはロス・プーマス(Los Pumas、アルゼンチン代表の愛称)として活躍していたピチョット副会長は28日、12チームずつのディビジョンを二つつくれば、フィジーのように資金難に直面しているトップチームにとっては損にならないと主張している。

「頭角を現している国の道をふさぐようなリーグを支持するつもりは絶対にない」「私の立場と提案は最初の日から一貫して同じである。すなわち、12+12(各12チームのディビジョンを二つ)で昇格と降格の入れ替え制を行い、選手には十分な休養期間を設ける」

「まだ何も決まっておらず、この先どうなるか分からないが、これからも協議を続けていく。うまくいかなかった場合でも、それは世界のラグビーを成長させようとしている人々の責任ではない」 (c)AFP