【2月28日 AFP】米カリフォルニア州で27日、16か月前に建設された対メキシコ国境の壁の試作品の取り壊し作業が始まった。一方、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が公約としている壁の本格的な建設は、いまだに始まっていない。

 メキシコのティフアナ(Tijuana)と国境を接するカリフォルニア州サンディエゴ(San Diego)にある8つの壁の試作品は、2017年10月に完成。コンクリートや鉄鋼でできた8種類の壁の試作品には、1つ当たり30万ドル(約3300万円)以上が費やされた。

 トランプ氏は昨年3月、同州を訪問した際に壁の試作品を視察した。隣り合ってそびえたつ壁は高さ9メートル。トランプ氏は不法移民や犯罪組織、麻薬密売人が米国内に侵入するのを阻止するために壁は必要だと訴え、国境の壁建設を主な公約として掲げてきた。

 米税関国境警備局(US Customs and Border Protection)の当局者によれば、試作品は壁の試験・評価のために造られたが、その目的は果たされたという。(c)AFP