【2月26日 AFP】国連(UN)は26日、イエメン内戦の最前線にある支援食糧の貯蔵庫に、昨年9月以降初めて立ち入ることができたと発表した。この貯蔵庫には、数百万人を1か月養える食糧が貯蔵されているという。

 世界食糧計画(WFP)の報道官はAFPに対し、WFPの評価班が同国西部の港湾都市ホデイダ(Hodeida)に近い同貯蔵庫に入ったと明かした。

 同報道官は、「昨年9月以降初めて、きょうWFPのチームが紅海製粉所(Red Sea Mills)に入ることができた。ここには370万人以上を1か月養えるだけの穀物5万1000トンが貯蔵されている」と説明。

「きょうの評価活動の細かい結果はまだ入っていないが、この施設をなるべく早く再び使えるようにしたいと考えている」と期待を示した。

 ホデイダの港は、イスラム教シーア派(Shiite)系の反政府武装組織フーシ派(Huthi)が掌握している同国西部にある。今月17日にスウェーデンで結ばれた協定に基づき、イエメン紛争の両当事者が戦闘員らを港の外へ移動させることに合意。この協定で、サウジアラビアの支持を受ける暫定政権が掌握する紅海製粉所の穀物貯蔵庫への自由な立ち入りが規定されたことから、今回評価班の立ち入りが可能となった。

 世界保健機関(WHO)によると、イエメンでは紛争開始以来約1万人が死亡。その大半が民間人で、負傷者は6万人以上に上っているという。(c)AFP