【2月27日 CNS】絶滅危惧種に指定されている華南梅花鹿(華南亜種の二ホンジカ)が近ごろ、中国・浙江省(Zhejiang)臨安市(Lin'an)清凉峰(Qingliangfeng)国家級自然保護区に姿を見せた。同地域の野生の鹿の群れは、最も少ない時期で1990年代初頭の約80頭から、現在は約300頭に増えている。

 今回、鹿が群れを成して人間の視野に入ってきたのは、20年間行ってきた保護の成果といえよう。清凉峰国家級自然保護区の管理局が1999年に設立され、先任の職員が定期的に同区を巡回し、区内の山岳地帯に保護センター3か所と生態・繁殖基地を設置するとともに、鹿の繁殖研究を行ってきた。

 同区千頃塘(Qianqingtang)保護ステーションの章叔岩(Zhang Shuyan)さんによると、華南梅花鹿は、低木や草を主食としており、清凉峰の海抜が高く、冬季の食物は、樹皮や枯草、地中の枯死していない植物しかなくなる。 

 章さんは「ここの鹿は300頭を超えたが、種として生存可能とされる最低基準の500頭にはまだほど遠い。旅行好きの方や動物が好きな方々には、鹿が静かな生活を送れるよう理解してほしい」と語っていた。(c)CNS/JCM/AFPBB News