【2月26日 AFP】イラクのバルハム・サレハ(Barham Saleh)大統領は25日、シリアでイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に参加し戦闘中に拘束されたフランス国籍の13人の裁判を、イラクで行うと発表した。

 サレハ大統領は、仏パリでエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領との会談を終えた後の記者会見で、シリアで米軍主導の有志連合が支援するクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」によって捕らえられ、イラク側に引き渡された元ISのフランス人戦闘員らは「イラクの法に基づいて裁かれる」と述べた。

 サレハ氏はさらに「われわれは、イラクやイラクの軍事施設、イラク軍兵士らに対する犯罪行為に加わった者らを必ず探し出し、イラクの裁判所で裁くために努力する」と語った。

 これに先立ち同日、イラクの首都バグダッドの政府筋はAFPに対し、シリアのIS最後のとりでで残留勢力の掃討作戦を進めるSDFから、14人のフランス人戦闘員がイラクに引き渡されたことを明らかにした。

 現在、欧米諸国に対しては、シリアでSDFが拘束した各国出身のIS戦闘員らの身柄を引き取るよう、圧力が高まっている。

 これに対しフランスは、シリアやイラクで捕らえられたフランス国籍の戦闘員は、拘束された国で裁判にかけるべきだとする姿勢を固持してきた。専門家らはこれについて、フランスでは違法の死刑判決が、これらの国では合法であるためだと説明している。

 イラクの裁判所はこれまで自国内で拘束された外国人戦闘員ら数百人に対し、多くの場合は即決裁判で、重い判決を言い渡してきた。

 しかしマクロン大統領は25日、フランスの姿勢を再度強調し、「戦闘員らが現地で裁かれるのであれば、主権を有する各国当局の判断に任せる」と述べた。(c)AFP