【2月26日 AFP】ボクシング、WBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級王者アンソニー・ジョシュア(Anthony Joshua、英国)は25日、米ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン(Madison Square Garden)で対戦する予定のジャレル・ミラー(Jarrell Miller、米国)から「気取り屋」と挑発されたことを受け、挑戦者を「魂の抜け殻」にしてやると誓った。

 元五輪王者のジョシュアは、6月1日に行われるタイトル防衛戦でミラーの母国である米国で初めて試合に臨むことになっている。22戦全勝(21KO)のジョシュアに対し、ミラーは23勝0敗1分(20KO)を記録しており、この一戦は無敗同士の激突となる。

 前週ニューヨークで開かれた会見では、ミラーがジョシュアに対して「ペテン師」や「女々しいやつ」などと呼びつけ、両者はすでに一触即発の様子を見せていた。この日英ロンドンのヒースロー空港(Heathrow Airport)近くにあるホテルで行われた会見は、比較的落ち着いたムードで進んでいたが、ミラーがジョシュアは「簡単に」ものごとを成し遂げてきたと言い放ったことをきっかけに一変した。

「俺はまだ10年間はボクシング界で生き残れる」「俺は他のことを知らない。相手をノックアウトしてたたきのめすことが好きなんだ」とやり返したジョシュアは、ボクシングのプロモーションではお決まりとなっている「トラッシュトーク」をこれまで避ける傾向にあったが、この日はミラーが英国のヘビー級の主役はタイソン・フューリー(Tyson Fury)だと話すと、明らかに腹を立てる様子を見せていた。

 ジョシュアが会見の冒頭で話している間、鼻をすすりながらあざ笑っていたミラーは、「ファンもやつを味方していない。人気がないんだ。今や英国ではタイソン・フューリーが主役で、やつ(ジョシュア)は脇役だ」と挑発。これに対してジョシュアは、「あいつをリングで魂の抜け殻にしてやる。6月1日にはあいつの顔と体を作り直してやる」と言い返した。

■「チーズバーガーと厳しい練習」

 ミラーはジョシュアとの会見の席で、「AJ(ジョシュア)は気取りすぎる、あいつはここまで鼻を高くするときがあると聞いている」「これまで実力が足りないと言われた挑戦者全員のために、1、2個のチーズバーガーと厳しい練習、そして献身があれば勝てることを俺が証明してやる」と豪語した。

 しかし、ジョシュアも自身がたたき上げであると主張し、「俺はトラブルを起こしすぎて、育った場所から閉め出された」「この拳はボクシングではなく、ストリートファイトで培ったもの。俺は人生を一転させたんだ」と語った。

「腐り切ったやつだな。魂の抜け殻にしてやるよ。外科医になってあいつを大改造してやる」

 4月13日にウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で予定されていた防衛戦の計画が中止となったジョシュアは現在、米国市場に割り込むことをもくろんでいる。同国のボクシング界は、昨年12月にロサンゼルスで行われたWBCヘビー級王者のデオンテイ・ワイルダー(Deontay Wilder、米国)とフューリーの一戦が引き分けに終わって以降、この話題で持ち切りとなっている。

 29歳のジョシュアは、昨年9月にウェンブリーで行われた最後の一戦で、ロシアのアレクサンドル・ポベトキン(Alexander Povetkin)に7回TKO勝ちを収めた。(c)AFP/Julian GUYER