【2月27日 CNS】中国・海南省(Hainan)生態環境庁は21日、「使い捨てプラスチック製品の生産と販売および使用を禁止する実施案」を発表し、全面禁止に向けて段階的に進めていくとした。

 実施案によると、海南省では19年までに同省全域での生産と販売、使用を禁止する地方条例と標準体系を確立し、監督・管理面を改善しながら代替品を供給できるようにする。また、20年までに同省全域で使い捨てのビニール袋やプラスチック食器の生産、販売、使用を全面的に禁止する。さらに25年までに、「海南省の生産、販売、使用を禁止するプラスチック製品リスト(試行)」で対象になっているプラスチック製品を禁止していくとしている。

 生態環境庁の試算によると、海南省で毎年使用される使い捨てプラスチック製品は約12万トンで、同省内で生産されている量は6万5000トンだ。

 同省が今回発表した実施案と、これまで各地方都市が発表してきた関連法案との違いは、有料のエコバッグなど代替案を示すのではなく、リストの対象製品を禁止するという点だ。海南省では、発展状況や需要を見ながら流動的にリストを更新していくとしている。

 生態環境庁の鄧小剛(Deng Xiaogang)庁長によると、25年までには再生処理システムの構築や優遇政策を確立させたい考えだ。現地の農家には生分解性プラスチックを原料とした農業用フィルムの導入を検討するよう促す。宅配業者に対しては、生分解性プラスチックを原料とする速達便包装物の使用とを推奨するほか、島外の大手物流プラットフォームとの協力も求めていく。

 鄧庁長は、「生分解性プラスチック原料の現在の価格は、従来のプラスチック原料の2倍だ。しかし産業が拡大し、供給が増加すれば相応のコストに下がるだろう」と話している。