【2月24日 AFP】ロシア軍がシリア内戦で獲得した「戦利品」を展示する催しが23日、首都モスクワのカザンスキー(Kazansky)駅で始まった。銃器から軍用車両までさまざまな品を陳列した列車が2か月かけて60都市を巡回する。

 この催しは、祖国防衛に携わった軍人をたたえる2月23日の「祖国防衛の日」に合わせて計画されたもの。列車の車内には戦利品のAK47(カラシニコフ自動小銃)やドローンなどが展示され、ミリタリーアイテムの物販コーナーもある。訪れた人たちはシリアの反体制派やイスラム過激派から獲得した戦車などの軍用車両も見学した。これらの軍用車両の多くにはアラビア文字が書かれていた。愛国的な歌のパフォーマンスや、兵士による重火器の解説も行われた。

 幼い息子を連れて来場したモスクワ在住の鉄道従業員、アレクセイさん(31)は、「あんなにも遠く離れた地で、彼ら(ロシア軍)が勝利していることを心から誇りに思う」とAFPに語った。「わが国に強い軍隊があることを見せるために」息子を連れて来たと言うアレクセイさんは、展示された兵器の数々に「感心した」と話した。

 この日の展示を終えた列車はカザンスキー駅を出発し、ロシアが2014年に併合したクリミア(Crimea)に向かった。列車はその後ロシアの極東と北極圏を回って4月にモスクワに戻る。国防省によると、この催しの列車の移動距離は2万8500キロに上るという。

 ロシアは2015年、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権を支援するためシリア内戦に軍事介入し、重要な役割を担ってきた。アサド政権は現在、国土の約3分の2を掌握している。8年にわたるシリア内戦では、36万人以上が死亡した。(c)AFP