【2月23日 AFP】ベトナムの首都ハノイに現れた北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長とドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領のそっくりさんが、地元警察に一時的に身柄を拘束されて事情聴取を受けていたことが分かった。ハノイでは、今月27~28日の2日間にわたって第2回米朝首脳会談が行われる。

 正恩氏のそっくりさんとして知られるハワードX(Howard X)さんと、トランプ氏に扮(ふん)したラッセル・ホワイト(Russell White)さんは、来週行われる会談に先立ち、22日にハノイ中心部で「会談」を実施。地元テレビ局のインタビューに応えていたところ、10人ほどの警察官が現れ、身柄を拘束された。

 警察で事情聴取を受けた後、釈放されて宿泊先のホテルに戻ったハワードXさんはAFPの取材に応じ、ベトナムでの滞在は合法で、強制されない限りは出国するつもりはないと主張。一方で、今も私服警官に監視されていると思うと話し、警察には、メディアへの露出を控えなければ国外追放処分を受ける恐れがあると注意され、市内を移動する際は、当局の承認を得た上でガイドを同伴するよう求められたことを明らかにした。

 ベトナム政府は、自然発生的な集会をほぼ容認しないなどの強硬路線を取っており、22日午後も、ハワードXさんとホワイトさんが市内を歩くのを治安部隊員が監視していた。

 ハワードXさんは昨年6月にも、初の米朝首脳会談に先立ってシンガポールに入国した際に空港で当局に身柄を拘束され、会談が行われる会場には近づかないよう指示された上で、ようやく市内への立ち入りを許された。

 しかし2人は、世界の「暴君」をそろえるためにそっくりさんをあと数人は集めたいと意気込んでおり、今はロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領や、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席、ブラジルのジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領のそっくりさんを募集中だと話した。(c)AFP/Jenny VAUGHAN