【2月23日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)は22日、イングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)が18歳未満の選手登録に関する規律違反を犯したとして、今後2度の移籍市場における選手補強を禁止したと発表した。これにより、来年1月末まで新たに選手と契約を結ぶことができなくなる同クラブは、ただちに異議を申し立てる意向を示した。

 FIFAの懲戒委員会はコメント文を発表し、「当委員会はチェルシーに対し、今後2期連続の移籍期間において国内および国際レベルの両方で選手の補強を禁止した」と述べた。これに加えてチェルシーには60万スイスフラン(約6600万円)の罰金が科され、未成年の選手と交わした契約状況についても90日以内の是正が求められた。

 チェルシーに対する今回の処分では選手放出については可能となっており、女子チームやフットサルチームは対象となっていない。

 裁定に対して3日以内に上訴することができるチェルシーは、エースのエデン・アザール(Eden Hazard)が退団したとしても、その穴を埋める選手との契約ができなくなるため、今回の制裁はチームにとって計り知れないダメージになる恐れがある。

 チェルシーはクラブの公式ウェブサイトに、「チェルシーはFIFA懲戒委員会の調査結果に対して断固として反論する。従って今回の決定に異議を申し立てる所存である」とのコメント文を発表した。

「当初、チェルシーは選手92人に関して告発を受けた」「そのうち63人について、違反がなかったとFIFAが承認したことを歓迎する。しかし、残りの29人に関する当方の見解が認められなかったのは極めて遺憾である」

 今回の裁定に先立ってFIFAは、チェルシーが契約した18歳未満の外国人選手に関する調査を行っており、その中にはブルキナファソ出身の元所属選手で現在はフランス・リーグ1のオリンピック・リヨン(Olympique Lyon)でプレーするベルトラン・トラオレ(Bertrand Traore)が含まれていた。

 トラオレは18歳だった2013年にチェルシーとプロ契約を交わしていたが、翌年1月まで選手登録がされていなかった。

 仏ニュースサイト「メディアパルト(Mediapart)」がサッカーに関する内部告発サイト「フットボール・リークス(Football Leaks)」の資料を引用して報じた内容によると、FIFAが証拠をつかんだのはチェルシーがトラオレに関して誤解を与えるような情報を流し、同選手がイングランド・サッカー協会(FA)に登録されていないにもかかわらず、本来の年齢とは違うレベルで20試合以上に出場していた事実とされている。(c)AFP