【3月22日 東方新報】阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング、Alibaba Group Holding)と騰訊(テンセント、Tencent)の2大巨頭のネット金融分野での競争が激しさを増している。かつては、金融決済がテンセントと螞蟻金融(アントフィナンシャル、Ant Financial)の戦いの主戦場だったが、今や、金融業界での戦いが証券業界にまで広がっている。

 メディアによると、アリババはこのほど投資・証券など総合的金融サービス業を営む中国国際金融(略称「中金公司」、CICC)に対する資本参加を完了し、H株の11.74%に相当する2億300万株、総資本の4.84%を保有するに至ったとのことだ。

 専門家によると、「中金公司」はアリババの資本参加によって科学技術を活用したビジネスを強化できる。将来、科学技術を活用して誰もできなかった新しいビジネスモデルを作り上げ、オンラインで顧客にサービスを提供し、顧客獲得や効率の向上、規模の拡大を狙っているという。

 一方、テンセントは2017年9月、アリババが中金公司に資本参加するよりはるか以前に、中金公司の新規H株2.075億株を購入し、中金公司の株主になっている。昨年末の時点で、中金公司の3大株主は「中央匯金(Central Huijin Investment)」、テンセント、「TPG Asia V Delaware, L.P.」の順で、持ち株比率はそれぞれ55.68%、4.95%、4.10%だった。今回、アリババが4.84%の株式を取得した後は、アリババが中金公司の第3位の大株主になる。

 IT企業が金融の分野に進む流れの中で、最も注目されるのがテンセントとアリババの2社であることは間違いない。

 テンセントは14年3月、香港の「富途証券(Futu)」に対し株式投資を行った。この後、15年4月と17年6月の2度にわたり追加投資を行い、持ち株比率を38%まで引き上げている。

 アリババの証券業界への布石は18年8月に、新たな局面を迎えた。「華泰証券(Huatai Securities)」は特定の投資者を対象として10億8900万株の新株を発行し、調達金額は約142億元(約2337億円)に達した。アリババはこれに乗り、同証券の3.25%の株式を保有することとなった。

 アリババとテンセントの証券業における闘いは、今後も加熱していくもようだ。(c)東方新報/AFPBB News