【2月22日 AFP】24日に迎える第91回アカデミー賞の授賞式。世界中で何百万もの人が授賞式の放映を見ることが予想されるが、受賞者が選ばれる仕組みを知る人はほとんどいない。

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 アカデミー賞は、映画産業に従事する8000人弱が投票で選ぶ仕組みになっており、今年の投票は19日に締め切られた。その選考の仕組みを紹介しよう。

■選ぶのは誰?

 米ロサンゼルスにある映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences)の会員7902人が投票する。会員は俳優、監督、プロデューサー、衣装デザイナーなど17部門に分かれている。

 アカデミーの会員になりたい場合は、希望する部門に所属するアカデミー会員2人の推薦が必要だ。ただし、過去にアカデミー賞を受賞していたり、候補となったりしたことがある場合は、自動的にアカデミー会員になることができる。会員申請は年1回、理事会で検討、承認される。

 アカデミー会員の投票資格は、以前は終身制だったが、2016年以降は10年の期限付きに変更された。ただし、更新は可能だ。10年ごとの更新を3回続けた場合には、終身投票権が与えられる。一方、映画業界で積極的な活動をしていない場合は、投票権を持たない「名誉」会員となる。

■アカデミー会員とは誰か?

 原則的に、アカデミーは投票権を持つ会員リストを公表していない。だが、会員自身が会員であることを公表することは禁止していない。

 2015と16年、アカデミー賞候補に黒人が少ないことが問題視されたことを受け、アカデミーは多様性を広げる取り組みを行っている。2020年までには女性およびマイノリティー会員の数を2倍にすることを約束している。

■候補者はどのように選ばれるのか?

 17部門のアカデミー会員がそれぞれ、自身の所属する部門内で候補者を選ぶ。また、外国語映画賞や長編アニメーション賞など一部の部門については、特別委員会が選考を行う。作品賞は、全会員の投票で選ばれる。

■受賞者の選考方法

 アカデミー賞24部門のうち23部門については、最多投票を獲得した作品または人物に賞が贈られる。

 作品賞のみは2009年以降、複雑な選好投票システムが採用されており、会員はノミネート作品を最も気に入ったものから最も気に入らなかったものまで順位を付ける仕組みになっている。

 一つの作品が50%以上の投票数を獲得した場合、自動的にその作品が作品賞となる。それ以外は、大手会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が独自の決選投票システムを用いて、会員の間で最も評価の高かった映画を選出する。(c)AFP/ Laurent BANGUET