【2月21日 AFP】仏パリの裁判所は20日、スイス金融大手UBSが顧客に脱税を促したとして37億ユーロ(約4700億円)罰金を科す判決を下した。フランスで課税逃れの取り締まりを求める声が高まる中、同国史上最高の罰金額が示された。

 罪状は、富裕層顧客に対して国外に資産を置くよう不法に持ち掛け、フランス税務当局から数十億ユーロ(10億ユーロ=約1300億円)を隠す手助けをしたとの内容。UBSの弁護士は控訴する方針を示している。

 クリスティン・ミー(Christine Mee)裁判長は、同行は「構造的、組織的、長期的な体制」を起源とする「並外れて重大な」不正を犯したと指摘した。

 世界最大手の民間銀行であるUBSは、裁判が泥沼化する可能性を避けるため協議による和解を目指したが、罰金について検察当局との間で合意に至らなかった。

 判決では、UBSのフランス子会社にも共犯として1500万ユーロ(約19億円)の罰金が科された。

 欧州各国では2008年の世界金融危機以降、脱税や正当性の疑わしい銀行取引慣行への取り締まりが強化されてきた。今回の裁判は7年にわたる捜査の末に昨年秋に始まったもの。この際、複数の元従業員が不法行為を告発した。(c)AFP/Sofia BOUDERBALA