【2月19日 AFP】スウェーデン第2の都市イエーテボリ(Gothenburg)の裁判所は18日、国外退去を言い渡されたアフガニスタン人亡命申請者の出国を阻止しようと航空機に乗り込み、意図的に遅延させた罪に問われた女子学生の活動家に罰金の支払いを命じた。航空機内には問題の亡命申請者はおらず、国外退去予定の別のアフガニスタン人が搭乗していた。

 社会学を専攻するエーリン・エーソン(Elin Ersson)さん(21)は昨年7月23日、アフガニスタン人を乗せたイエーテボリ発イスタンブール行きのトルコ航空(Turkish Airlines)機内で単独の抗議活動を展開し、その様子をフェイスブック(Facebook)上で実況した。

 しかし、国外退去を阻止しようとしたアフガニスタン人は機内にいないことが判明。乗っていたのは刑期を終えて国外退去命令を受けた別のアフガニスタン人だったという。

 エーソンさんは座席に着くよう指示した乗務員に従わず、涙を流しながら「この人が飛行機を降りるまで私は席に着かない。彼は殺される可能性が非常に高い」と英語で訴えた。

 機内には拍手を送る人もいれば、非難の声を上げる人もいたという。結局、パイロットはエーソンさんとアフガニスタン人に飛行機を降りるよう命じた。

 裁判所は安全規則に違反した罪でエーソンさんに有罪判決を言い渡し、罰金3000クローナ(約3万5000円)の支払いを命じた。

 アフガニスタン人2人はその後、国外退去となった。(c)AFP