【2月19日 AFP】シンガポール当局は18日、同国出身選手として初めてイングランド・プレミアリーグのクラブと契約したベン・デイビス(Ben Davis)が兵役義務に服しておらず、有罪となれば最長3年の禁錮刑を科される可能性があると明らかにした。

 デイビスは当時17歳だった昨年7月にフラム(Fulham)と2年契約にサインしたが、シンガポール国防省は声明文で、同選手は「義務化されている兵役に服していない。また、正式な出国許可証なしで国外に滞在している」と述べ、スポーツの夢を追求するために兵役を先延ばしすることはできないと強調した。

 男性のシンガポール国民は18歳になると軍、警察、緊急当局のいずれかにおいて2年間の国民役務に従事しなければならず、当局がこれを免除することはほとんどない。同国ではプレミアリーグが絶大な人気を博しており、国防省がデイビスの兵役免除を許さなかったことによって、国内では徴兵制が厳しすぎるとして議論が激化している。

 国防省によれば、デイビスは昨年に兵役延期の申請書を提出していたが、免除基準を満たしていないとして却下されたという。また、兵役法違反で有罪になれば、同選手は3年間の服役に加えて最大で1万シンガポールドル(約81万5000円)の罰金を受ける可能性がある。

 地元日刊紙ストレーツ・タイムズ(The Straits Times)は、デイビスは今月14日までに入隊しなければならなかったと報じた。さらに、同国で兵役を免除されたスポーツ選手は競泳男子の五輪王者ジョセフ・スクーリング(Joseph Schooling)を含め、ここ15年間では3人しかいないと伝えた。(c)AFP