【2月19日 AFP】フランスの重電大手アルストム(Alstom)とドイツの複合企業シーメンス(Siemens)が目指していた鉄道車両事業の統合計画は7日、欧州連合(EU)によって却下された。

 この独仏の大企業2社が鉄道車両製造での事業統合を試みたのは、業界最大手となった中国の中国中車(CRRC)によって市場が独占されることへの危惧からだった。

 国の支援を受けていることも多い中国企業の圧倒的な強さについての懸念は、鉄道産業だけにとどまらない。中国企業が世界市場で大きなシェアを占める分野を以下に一部挙げる。

・鉄道

 中国政府の支援を受ける中国中車(CRRC)は、世界最大の鉄道車両メーカー。米国内ではボストン(Boston)やフィラデルフィア(Philadelphia)、世界ではカンボジアからコロンビアに至るまで各地から機関車や客車の製造を受注しており、顧客には有名なロンドン地下鉄(London Underground)やドイツ鉄道(Deutsche Bahn)なども名を連ねる。

 年間収益は260億ユーロ(約3兆2500億円)に上り、同社だけでカナダのボンバルディア(Bombardier)とシーメンス、アルストムの欧米3大メーカー各社の年間収益約90億ドル(約9900億円)の合計を上回る。

・農薬

 中国国営の中国化工集団(ケムチャイナ、ChemChina)は2017年、スイスの農薬大手シンジェンタ(Syngenta)を430億ドル(約4兆7500億円)で買収。世界最大の種子・農薬メーカーの一つとなり、米農薬大手モンサント(Monsanto)やダウ・デュポン(DowDupont)と肩を並べるようになった。

 中国企業による外国企業の買収額でそれまで過去最高だったのは、2013年に中国国営の中国海洋石油(シノック、CNOOC)がカナダ・エネルギー企業ネクセン(Nexen)を買収した際の151億ドル(約1兆6600億円)だったが、シンジェンタ買収はこれを抜いた。

 ケムチャイナはまたイタリアのタイヤメーカー、ピレリ(Pirelli)やドイツの機械メーカー、クラウスマッファイ(KraussMaffei)なども傘下に収めている。

・エネルギー

 国営の中国核工業集団(CNNC)は2015年、フランス製や米国製の原子炉に対抗するため、国内で開発した原子炉「華龍1号(Hualong One)」の売り込みを開始。アルゼンチンやパキスタンへ輸出した。

 また世界のソーラーパネル市場では、ジンコソーラー(Jinko Solar)やトリナ・ソーラー(Trina Solar)といった中国メーカーが優位に立っている。

・航空機

 中国国営の航空機メーカー、中国商用飛機(COMAC)は、米航空宇宙機器大手ボーイング(Boeing)や欧州航空機大手エアバス(Airbus)の独占的シェアに挑むべく、2021年に初の国産ジェット旅客機の納入を目指している。同社は座席数168席のC919型機について、すでに1000件の受注があったと述べている。

・食品

 中国国営食品大手の中糧集団(コフコ、COFCO)は、シンガポールの商社ノーブル(Noble)とオランダの商社ニデラ(Nidera)の農業部門を買収後、世界の穀物取引において日増しに大きな役割を果たすようになってきている。

 中国の万洲国際(WHグループ、WH Group)は2013年、米豚肉生産・加工大手のスミスフィールド・フーズ(Smithfield Foods)を買収後、豚肉生産分野で世界最大手となった。