【2月19日 東方新報】中国国内のホテルチェーンが、衛生問題を暴露されている。インターネット上ではここ数日、同国内で全国展開するホテルチェーンブランド、七天連鎖酒店(7Days Inn)などエコノミー型ホテルの衛生問題を暴露する動画が連日、注目を集めている。

 動画では、七天酒店を運営する鉑涛酒店集団(Plateno Group)傘下のラヴァンドホテル(Lavande Hotel)のスタッフが、清掃時にタオルを使って灰皿や洗面台、トイレなどを清掃していた。このほかにも騒音の問題や、七天酒店では身分証明の確認をとらないまま客をチェックインさせるなど、さまざまな動画が上げられ、さまざまなメディアの公式微博(ウェイボー、Weibo)に転載された。

 七天酒店は、「迅速に調査を進めた上で、かつ問題のあった各支店に対し全面的な業務改善を進めるよう指示している」とコメントしている。

 最近のホテル業界は、こうした衛生問題が盲点になっているようにも見える。これまで、使用済みタオルで便器やコップを拭いたり、消毒処理してない使い捨て歯ブラシを業者から納入していたりといった問題に加え、今回はリネン業者に関連した新たな衛生問題が暴露され、改めてチェーンホテルの衛生管理問題が浮き彫りとなった。

 実のところ、エコノミー型ホテルの衛生問題が発覚したのは、今回が初めてではない。2018年12月末には七天、如家酒店(Hone Inn)などチェーンホテルの「リネン業者の闇」が動画で暴露された。

 これについて七天酒店は、動画で公開された七天系列の同ホテルは、すでにフランチャイズ契約を15年には終了したと発表していたが、翌16年4月には、七天酒店などチェーンホテルの寝具やタオルの清掃を委託するリネン業者が、血液や嘔吐(おうと)物が付着したシーツを従来のシーツと一緒にカセイソーダ(水酸化ナトリウム)を使って洗濯し、基準のPH値を大きく超えた寝具が客室で使われていたことも明らかになった。こういった問題が次々と発覚し、エコノミー型ホテルは「不衛生の定番」のレッテルを貼られている。

 業界アナリストは、エコノミー型ホテルの経営がここ数年で難しくなりつつあると指摘している。多くのホテルがコストを抑えるために、衛生管理をおろそかにしている。一部のホテルは安い賃金で清掃員を雇ったり、清掃業者に委託したりするケースが多く、寝具などの洗濯もほぼリネン業者への委託だ。このようなことから、ホテルの客室清掃や寝具の管理などに対する監督・管理の欠如が露わになり、人件費などが抑えられた状況下で、衛生問題が頻繁に暴露されている。(c)東方新報/AFPBB News