【2月17日 AFP】スイスの俳優で、映画『ヒトラー~最期の12日間~(Downfall)』でアドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)役を、『ベルリン・天使の詩(Wings of Desire)』で天使の役を演じたブルーノ・ガンツ(Bruno Ganz)氏が16日、77歳で死去した。同氏の代理人が明らかにした。

 同代理人によると、ガンツ氏はスイス・チューリヒの自宅で同日早朝に亡くなった。がんを患っていたという。

 映画、舞台の俳優として活躍したガンツ氏は、ドイツ語圏を代表する第2次世界大戦後の俳優で最も偉大な一人とされる。2004年には、ヒトラーが地下要塞で苦しみながら過ごした最期の日々を描いた『ヒトラー~最期の12日間』に出演。ガンツ氏は危険かつ陰気なヒトラーを演じ、その繊細な演技は多くの評論家から比類なきものと評価された。

 ドイツ語圏の俳優は歴史的にヒトラー役を演じることをちゅうちょしてきたが、チューリヒ出身のガンツ氏は自身がスイス人であることが役を演じるのに必要な緩衝材になったと認めていた。

 ガンツ氏は1987年の『ベルリン・天使の詩』では、東西ドイツ統一前のベルリンで平凡だがもの悲しいひとときを見守る天使ダミエルを演じた。(c)AFP