【2月14日 AFP】米連邦地裁は13日、2016年米大統領選でドナルド・トランプ（Donald Trump）陣営の選対本部長を務めたポール・マナフォート（Paul Manafort）被告について、ロバート・モラー（Robert Mueller）特別検察官が主導するロシア介入疑惑の捜査で司法取引に違反して虚偽証言をしていたとの判断を下した。この違反により、検察側はマナフォート被告との司法取引を守る義務はなくなり、被告に対し、予想されていたよりも重い判決が下される可能性がでてきた。

　連邦地裁のエイミー・バーマン・ジャクソン（Amy Berman Jackson）判事は、マナフォート被告が2016～17年にロシア側の工作員として活動していたとみられるコンスタンティン・キリムニック（Konstantin Kilimnik）被告との接触について、昨年9月に司法取引の一環として捜査協力に合意していながら「意図的に」虚偽の供述をしたとの検察側の主張を認めた。

　他にも、法律事務所への支払い隠蔽（いんぺい）に関する捜査や、モラー検察官の下で極秘に進められていた別件捜査でもマナフォート被告が虚偽の証言をしていたとみなした。
　
　マナフォート被告は昨年8月、虚偽の所得申告や銀行関連詐欺など計8件の罪状について、バージニア州の連邦地裁で有罪評決を下された。その後、首都ワシントンの連邦地裁でもマネーロンダリング（資金洗浄）と司法妨害などの罪で訴追されたが司法取引に応じ、有罪を認める代わりに捜査に協力するとしていた。

　モラー検察官によるロシア介入疑惑捜査をめぐっては、これまでにトランプ陣営からマナフォート被告を含めて7人が訴追されている。(c)AFP/Paul HANDLEY