■「完全な空想だ」と英メディア

 クルーニーさんの批判に対する英メディアの反応は早かった。自分の考えは胸に納めておくようにと忠告する記事が相次いだ。

「メーガン妃とダイアナ元妃に関するクルーニー氏の主張は、完全な空想だ」と英紙タイムズ(Times)は断じ、英紙テレグラフ(Telegraph)は「なぜメーガン妃は新たなダイアナ元妃ではないのか」と題した記事を掲載した。

 著名なテレビ司会者ピアーズ・モーガン(Piers Morgan)氏は、英大衆紙デーリー・メール(Daily Mail)電子版の「メール・オンライン(Mail Online)」への寄稿で、クルーニーさんについて「メーガン妃の『真の』友人なのか、それとも同妃がつい最近まで気に掛けていると公言していた人々を犠牲にしながらしがみついている有名人の一人にすぎないのか」と疑問を呈した。

 メディアではこのところ、メーガン妃の父親に関する記事が紙面をにぎわせていた。だが、英国社会が直面しているのは、英メディアとバッキンガム宮殿(Buckingham Palace)との約20年に及ぶ休戦が終わろうとしているのかというより大きな問題だ。

 ベテラン王室ウオッチャーで伝記作家のペニー・ジュノー(Penny Junor)氏は、メーガン妃とダイアナ元妃の状況はまるで異なると指摘。「メーガン妃がパパラッチに不満をこぼしていると聞いたことはない。そんな問題があると話す人がいるなどという話も、一度だって聞いたことがない」とAFPに語った。

 メーガン妃についてジュノー氏は、「十数人のパパラッチを引き連れることなく日常生活を送り、公園を散歩したりレストランに行ったり、普通の人として過ごせると思う」「ダイアナ元妃にはできなかったことだ」と話している。

 モーガン氏もジュノー氏も、メーガン妃と父親が共にメディアを通じて家族の問題を解決しようと試みてトラブルを自ら招き寄せていると批判している。メール・オン・サンデーがメーガン妃の手紙を掲載する直前には、同妃の友人数人に取材した「メーガン妃の父親に関する真実」と題した記事が、米娯楽誌ピープル(People)に掲載されていた。

 ジュノー氏は、ダイアナ元妃もかつてお気に入りの芸能記者にだけ情報を提供するなどメディアを利用していたが、「これは非常に危険なまね」だと指摘。ただし、「メディアに対して、まだメディアがどれほどの害をもたらし得るかという点について、皆もっと賢くなったと思う」と述べ、時代は変わったと主張した。(c)AFP/Dmitry ZAKS