【2月22日 AFP】ベネズエラの首都カラカスの空を飛ぶ色鮮やかな野生のコンゴウインコは一見の価値がある。人目を引き、たいていはおとなしく、餌を求めてバルコニーにとどまる。しかし、このような大接近がコンゴウインコにとって必ずしも良いとは限らない。

 コンゴウインコの羽は、赤から青、緑、黄、オレンジまでそろえる絵の具のパレットのようだ。朝日が昇るときや夕日が沈むときは決まって、ヤシの木と高層ビルの間をジグザグと飛び始める。

 自然愛好家にとってはこのような光景が夢のように思えるかもしれないが、けたたましい騒音や汚染、喧騒(けんそう)がある都市におけるコンゴウインコの増殖の背景にあるのは、野生生物の売買や外来種の流入だと生物学者は語る。

 コンゴウインコが人口600万人のカラカスにどうやって流入したのかは分かっていない。複数の専門家によると、野生生物の密輸業者が持ち込んだか、あるいは家庭や動物園から逃げ出した可能性があるという。

 原因が何であれ、カラカスは本来の生息地ではない。コンゴウインコは、一部ブラジル国境にさしかかる、ベネズエラ南部の人里離れたジャングルで暮らす野生生物だ。(c)AFP