【2月12日 AFP】エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領の政策に抗議する「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト、gilets jaunes)」運動の参加者たちは、一般のフランス人よりも陰謀説を信じやすい傾向にあるとする調査結果が11日、公開された。

 調査は仏調査会社Ifopが、仏監視団体「コンスピラシー・ウオッチ(Conspiracy Watch)」と中道左派のシンクタンク「フォンダシオン・ジャン・ジョレス(FJJ)」の依頼を受けて実施したもの。さまざまな集団の代表者ら1506人を対象とした1回目の調査はクリスマスの前週に、その後2回目の調査は254人を対象に、いずれもオンライン上で行われた。対象者の半数は黄色いベスト運動の支持者だと回答していた。

 調査結果によると、黄ベスト運動を支持する回答者の25%近くが、東部ストラスブールで昨年12月に起きたクリスマス市襲撃事件について、黄ベストデモから注目をそらせようと政府が襲撃させたとの説を信じていた。一般的なフランス人で政府の陰謀説を信じると回答したのは約10%だった。

 黄ベスト運動の主導者や支持者らについては、ソーシャルメディア上で大量のフェイクニュースを拡散したり、集会やデモで記者たちを攻撃したり脅したりしているとして非難が集まっているが、黄ベスト運動家たちが、真偽不明な「ユダヤ陰謀論」や、エリートたちが移民の大量流入を画策しているという大衆の間に広まる陰謀説を信じやすい傾向にあることも明らかとなった。

 また、黄ベストデモ参加者たちは、デモのニュースを追う際に陰謀説がまん延するソーシャルメディアやユーチューブ(YouTube)に「極度に依存」していた。最新ニュースを知る手段として、黄ベスト運動支持者では59%近くが、まずフェイスブック(Facebook)のニュースフィードをチェックしていたという。これに対し、一般市民では37%が既存メディアから最新情報を得ていた。(c)AFP/ Taimaz SZIRNIKS, Fiachra GIBBONS