【2月12日 AFP】離婚を求めたことで家族から脅迫されたとするアラブ首長国連邦(UAE)の女性(42)がマケドニアで難民申請を却下され、同国の入国管理施設で行き場を失っていることが分かった。人権派弁護士と活動家の団体が11日明らかにした。

 この女性はヒンド・アルボルキ(Hind Albolooki)さん。昨年10月にマケドニアで亡命を申請したが、同国内務省は11月にこれを却下。「普通の生活を送りたい」とのアルボルキさんの希望は保護理由にならないとした。

 先週、裁判所が同省の判断を支持したことで、アルボルキさんがドバイに送還される懸念が生じたが、弁護士らの介入により欧州人権裁判所(ECHR、仏ストラスブール)が国外退去の差し止め命令を交付。同裁での審理が終了するまで退去処分が禁止された。

 ECHRへの訴えを起こした「マケドニア青年弁護士協会(Association of Young Lawyers in Macedonia)」のゾラン・ドランゴフ(Zoran Drangov)氏は、「しばらくの間、彼女に国外退去の危険はない」としている。

 アルボルキさんは今月、自身の窮状を訴える動画をユーチューブ(YouTube)に投稿。「私は自分の父、兄、弟から生活を地獄に変えると脅迫を受け、ドバイからマケドニアに逃げて来ました。脅迫の理由は、私が離婚を求めたということだけです」と述べた。

 さらにアルボルキさんは、「私には4人の子どもがいます。子どもをこんなふうに置き去りにしようとする母親はいませんが、そうせざるを得ませんでした。選択の余地がなかったのです」と事情を説明した。(c)AFP