【2月9日 AFP】飼育されているゾウの中で最高齢とみられる88歳のアジアゾウが、インド南部ケララ(Kerala)州で死んだことが分かった。関係者らが7日、明らかにした。

 同地域のヒンズー教寺院を管轄している自治体の委員会に「ガージャ・ムサシ(Gaja Muthassi、ゾウのおばあちゃん)」の称号を与えられて飼育されていたゾウの「ダクシャヤニ(Dakshayani)」は、この数十年、寺院の儀式や祭典の際に町を練り歩いてきた。しかし今月5日、獣医師のT・ラジーブ(T. Rajeev)氏によると、食欲をなくした様子を見せた後に死んだという。


 ラジーブ氏はAFPに対し、「午後3時にダクシャヤニは突然、頭を震わせ、大きな体全体をぶるぶる震わせたかと思うと、その数分後、前脚を折り曲げて横になった。それが最後だった」と話した。

 自治体の委員会はダクシャヤニを88歳だったと見なしているが、飼育されているゾウの中でギネス世界記録(Guinness World Records)によって最高齢と認定されているのは、台湾の動物園にいたアジアゾウで、2003年に86歳で死んだ林旺(Lin Wang)だ。飼育されているゾウの寿命は少なくとも40歳とされている。

 ダクシャヤニはここ数年、恐らく視力が低下したことが原因で動き回ることが困難になり、代謝改善のためにパイナップルやニンジンが与えられていた。

 ラジーブ氏によれば、ここ3年は寺院の行事や公的な役割からは解放されていたという。(c)AFP