【2月8日 AFP】ドイツの競売会社が7日、ナチス・ドイツ(Nazi)のアドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)作とされ、9日にオークションに出品予定だった作品26点について、競売数日前になって偽物である疑いが浮上したとして、当該作品の競売中止を発表した。

 独南部ニュルンベルク(Nuremberg)に本社を置く競売会社ワイトラー(Weidler)は、この26点とは別に、「A. Hitler」というサインが入った水彩画5点については、予定通り9日に出品されるとしている。

 これに先立つ6日、同社が所有する「A.H.」や「A. Hitler」の署名入りの63作品について、ヒトラー自身が手掛けたものではない可能性があるとして、検察が押収していた。

 出品が取り消された26作品は、水彩画や油絵、スケッチで、建物や風景を題材にした絵の他、裸体画も数枚あったとされる。

 ヒトラーは母国オーストリアで芸術家として生計を立てていこうと試みたこともあり、2015年に同社が行った競売では、水彩画が40万ユーロ(約5000万円)近くで落札された。ただヒトラー作品の販売は以前から物議を醸している上、後に偽物が出回ることも多い。(c)AFP/Michelle FITZPATRICK