【2月13日 CNS】中国・四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)蒲江県(Pujiang)の名月村(Mingyue)では、村民が携帯電話でQRコードを読み取り、回収ごみ置き場のガラスのドアを開け、資源ごみが詰まった袋を入れた。ごみの一部は約1週間後に換金され、本人の微信(ウィーチャット、WeChat)の口座に戻ってくる。

 ガラスの家のようなセルフ式のごみ置き場は、蒲江県に合計10か所ある。これは、2018年から検討されてきた「インターネット+ごみ回収」方式の成果だ。村民はQRコードで専用の回収袋を読み取り、その専用袋にリサイクル可能なごみを詰め、袋がいっぱいになったらごみ置き場に持参するだけだ。専門の業者が回収し分別、分量を量る。

 蒲江県都市管理局の宋勇(Song Yong)副局長の話では、「将来、県内全域にこのセルフ式のごみ置き場を配置する予定。2011年からごみの分別を進めており、灰緑色の50センチほどのごみおけを各戸に1組ずつ配置している。生ごみは『堆肥用ごみ』と印のあるおけに入れて堆肥池に蓄積され、分解されて肥料として再利用される。紙パッケージ、プラスチック、びんなどの資源ごみは、村のセルフ式置き場を通じて収益が村民の財布に戻ってくる。その他の生活ごみと有害ごみは環境衛生管理員の手で2次分別され、村ごとにまとめて収集される。これが蒲江県の『2次4分類』のごみ分別方式だ」とのこと。

 胡暁川(Hu Xiaochuan)さんは、蒲江県のごみ処理モデル村のごみ分別指導員だ。「村民は17年3月から今までごみ回収で8万5000元(約138万円)の収益を得ており、環境保護の意識は明らかに高まった。同時にごみ分別の改善で村の環境が良くなったため、旅行客が増えつつある」と話す。

 蒲江県の実践活動は、四川省が推進するごみ分別を通じての「生態文明建設」の縮図の一つにすぎない。経済発展に伴って「街がごみに包囲される」という事態が、現在の中国で突出した問題になっている。村民が自分たちの住む環境を整えることは、農村振興戦略の「第一の要」だ。

 同省政府の各関係部門は共同で「四川省農村の住環境整備・村の清潔化活動案」を配布し、農村のごみ処理や汚水処理やトイレ革命、家畜ふん尿の資源化などを重点的に推進している。これ以前に発表されている「四川省生活ごみ分類制度実施方案」では、20年末までにごみ分別の法規と標準規則の体系の基本を制定し、地方に適した法規を研究し、複製可能で広く推進できる生活ごみの分別方式を確立しようとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News