【3月5日 東方新報】中国・国家電網の発表した統計によると、2018年に中国の社会全体で消費された電力総量は6兆8449億キロワット時(kWh)で、前年比で8.5%伸び、増加速度は7年ぶりの新記録となった。

 地域別の消費量では、多い順に広東省(Guangdong)が6323億キロワット時、江蘇省(Jiangsu)が6128億キロワット時、山東省(Shandong)6084億キロワット時と、上位3省は6000億キロワット時を超えている。6000億キロワット時とは、三峡ダムの発電所の年間発電量の6倍に相当し、100ワットの白熱電灯を7億年も点灯でき、高速鉄道で地球と太陽の間を70回往復できる電力量に相当する。

 1人当たりの電力消費量は20年に5000キロワット時と予測されているが、これは中程度に発展した国家レベルで、大まかな試算ではあるが、上述の3省はいずれもそのレベルを超えたとされている。

 全国的には、11省で18年電力消費量が2000億キロワット時を超えている。電力消費量は経済の「気圧計」であり、マクロ経済の重要な指数だ。これら電力消費量の中間に位置する11省は、大半が経済発展に勢いがあり、「GDP序列」の前の方に位置する省だ。前年に比較して2000億キロワット時を超えた省は増加し、山西省(Shanxi)などが新たに加わった。

 風力発電に関しては、内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)がほかをけん引する地区となっている。

 電力消費が少ないグループの中で、北京と上海と重慶(Chongqing)は市として1000億キロワット時を超え、驚異的な記録を残している。また一部の省、例えば貴州省(Guizhou)では電力消費の伸びがGDPの伸びを大きく上回り、ビッグデータを扱う新進産業が急速発展している状況がうかがえる。また、人口の少ない省は電力の供給地で、クリーンエネルギーを東部、中部に提供する役割を担っている。

 全国の電力消費量は18年に急速に増加したが、代替エネルギーとしての電力消費量の増加速度も劣ってはいない。18年の代替エネルギーとしての電力消費量の伸びは、前年比23%増だった。(c)東方新報/AFPBB News