【2月8日 AFP】サウジアラビア人ジャーナリストのジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏が昨年トルコで殺害された事件で、調査に当たっている国連(UN)のアニエス・カラマール(Agnes Callamard)特別報告者は7日、カショギ氏の殺害は「サウジ当局によって計画・実行された」とする声明を出した。

 米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)にコラムを寄稿し、サウジの体制を批判してきたカショギ氏は昨年10月2日、トルコ・イスタンブールのサウジ総領事館内で殺害された。トルコ政府は、サウジから送り込まれた暗殺チームの犯行だと断定している。

 カラマール氏は声明で「トルコでの調査中に集めた証拠は、カショギ氏がサウジアラビア当局によって計画・実行された残忍で計画的な殺人の犠牲となったことを示している」と述べた。

 サウジ政府は当初殺害を否定していたが、最終的にカショギ氏は総領事館で会った人物らと口論になり、殴り合いになって死亡したとの見方を示した。ただ、ムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子の関与については全面否定している。

 トルコ政府は、カショギ氏はサウジ人15人のチームによって絞殺されたと主張。報道によると遺体は切断され、酸で溶かされたという。事件から4か月たった今もカショギ氏の遺体は見つかっていない。

 サウジ政府はこれまでに複数の高官を逮捕したが、この事件でサウジ史上最悪レベルの外交危機に陥っている。 (c)AFP