【2月8日 AFP】米大リーグ(MLB)は7日、アフリカ系米国人リーグ史上初の監督で、骨肉腫による病気療養中だと報じられていたフランク・ロビンソン(Frank Robinson)氏が、ロサンゼルスの自宅で死去したと発表した。83歳だった。

 米国野球殿堂(Baseball Hall of Fame)入りしているロビンソン氏は、選手としてボルティモア・オリオールズ(Baltimore Orioles)でワールドシリーズを2度制覇。1966年に打率、本塁打、打点の三冠を獲得し、1976年に引退するまでに歴代10位の586本塁打を放った。

 メジャーデビューした1956年に新人王に輝いたロビンソン氏は、1961年にナ・リーグのシンシナティ・レッズ(Cincinnati Reds)で、1966年にア・リーグのオリオールズでシーズン最優秀選手(MVP)を獲得。現在でも両リーグMVPの偉業に肩を並べる選手は現れていない。

 ロビンソン氏は1975年にクリーブランド・インディアンス(Cleveland Indians)の選手兼任監督に就任し、リーグ史上初のアフリカ系米国人監督となった。ジャッキー・ロビンソン(Jackie Robinson)氏がアフリカ系米国人初のメジャーリーガーになった1947年から30年がたとうとしていた。

 監督就任後にロビンソン氏は、「もし願いがかなうのであれば、ジャッキー・ロビンソンにここにいてほしかった。このことが現実のものになったことを見届けてほしかった」とコメントしている。ジャッキー・ロビンソン氏は1972年に亡くなった。

 ロビンソン氏はサンフランシスコ・ジャイアンツ(San Francisco Giants)、オリオールズ、モントリオール・エクスポズ(Montreal Expos、2005年からフランチャイズ移転しワシントン・ナショナルズ<Washington Nationals>)を指揮したが、監督としてはワールドシリーズの頂点に立つことはできなかった。(c)AFP