【2月6日 AFP】アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)が女性の権利に対する考えを改めたと見なすのは単純過ぎる──こう話すのは、首都カブールで飲食店を経営しているライラ・ハイダリ(Laila Haidari)さんだ。ハイダリさんは、教育を受けた多くのアフガン女性と同様に、タリバンと米国との間でいかなる和平協定が結ばれようとも、これまでに苦労して手に入れてきた自由が奪われるのではないかと不安を抱いている。

 タリバン政権はかつて、教育および労働の機会を女性に与えなかったが、米国主導の多国籍軍による侵攻を通じて政権が崩壊してからの約20年間で、そのような厳しい制約は徐々に緩和されていった。

「彼らが戻って来たら、女性たちは公共の場から出て行かなければならなくなる」と、ハイダリさんは自身の店でAFPの取材に語った。ここはカブールでも男女が一緒に食事ができる数少ない場所の一つだ。

 ハイダリさんは仲間と一緒に、タリバンの権力に引き下がらないようアフガニスタンの女性に呼び掛ける運動「#metooafghanistan(ミートゥー・アフガニスタン)」を立ち上げた。

 カタールで6日間の協議を終えた米国とタリバンは、アフガニスタン政府とタリバンとの和平協議を実現するための枠組みをめぐって大筋合意した。

 是が非でもアフガニスタンからの完全撤退を目指す米国と、アフガニスタンの広大な地域を実効支配しているタリバン。そうした状況下での和平協定締結がもたらす今後の政権の姿は、現時点ではまだ不明瞭だ。

 多くの女性たちが恐れているのは、タリバンの政権への参画だ。2001年に米国が侵攻するまで政権を握っていたタリバンは、5年近くアフガニスタンを統治し、厳格なシャリア(イスラム法)を適用した。

 米国の推定では、現在カブールを拠点とする政府が統治しているのはアフガニスタン全体の3分の2足らずで、タリバンが支配していた地域では何も変わっていない。