■締め出しへの懸念

 人権団体で女性の権利を専門としているヘザー・バー(Heather Barr)上級研究員は、アフガニスタン女性には「和平交渉のプロセスから締め出される」ことを憂慮する理由がいくらでもあると話し、これまでも大抵はそうだったと付け加えた。

「女性に対するタリバンの考え方は2001年以降、ほんの少し穏やかになったものの、今なお、アフガニスタン憲法で女性に保障されている平等の権利とはかけ離れている」 

 タリバンは1日、アフガニスタンで「イスラム体制の樹立」を目指すと宣言した。この中で、ザビフラ・ムジャヒド(Zabihullah Mujahid)報道官は、女性が教育を受けることに同組織は反対していないと主張しているが、彼らが目指すイスラム体制がアフガニスタン女性の権利にどのような意味合いを持つかについては言葉を濁した。

 国連(UN)によれば、アフガニスタンの800万人の児童・生徒のうち女子は250万人。下院では議席の4分の1以上が女性枠とされ、2016年には労働力人口の5分の1近くを女性が占めた。

 タリバンを警戒するのは、何もカブールの女性だけではない。地方の女性にとってもこれは同様の不安要素だ。地方では識字率が2%に満たない所もあり、保守的な伝統に縛られて人権がないがしろにされることも少なくない。

■「女性たちは自分の権利をむざむざ奪われることを許しはしない」

 それでも、過去20年でアフガニスタンは変化を遂げており、同国の女性らも自らの権利をむざむざ奪われることを許しはしないだろうと、女性人権活動家らはAFPの取材に語る。

「アフガニスタンの女性たちは以前より強くなった。知識と教養を身に付けている。1998年のアフガニスタンに戻ることに賛成する人は誰もいない。これは男性も同じだろう」と、女性と人権に関する議会委員会のフォージア・クーフィ(Fawzia Koofi)委員長は主張する。

 活動家のアティア・メフラバン(Attia Mehraban)氏もこの意見にうなずきながら、「平和のためなら何だって許されるわけじゃない」と語っている。(c)AFP/Laurent ABADIE