■殿堂入りの可能性は?

 エデルマンが薬物検査で失格になった際の状況については、現在も詳細が明らかになっていない。同選手の体内から見つかった具体的な薬物に関してはこれまで公表されておらず、リーグの禁止薬物リストに入っていないという報道もあった。

 4試合の出場停止処分に関する異議申し立てを退けられたエデルマンは、昨年6月に自身のインスタグラム(Instagram)に謝罪のコメントを投稿し、「本当に申し訳ない。何が起きたのか分からない」「これまで何度も検査を受けてきた中で、こうしたことは一度も起きていない」と弁明した。

 それでもエデルマンがスーパーボウルで目覚ましい活躍をしたことは間違いなく、その素晴らしい活躍でペイトリオッツにとって重要な選手であることを改めて示した。膝の靱帯(じんたい)損傷で2017年シーズンを棒に振っていた32歳は、今回の一戦でレシーブ10本を記録して合計141ヤードを獲得したほかランでも8ヤードを稼ぎ、MVPトロフィーと自身3個目のスーパーボウルリングを手にした。

 ペイトリオッツがアトランタ・ファルコンズ(Atlanta Falcons)に大逆転勝利を飾った2017年のスーパーボウルでも、終盤のタッチダウンドライブで奇跡的なキャッチを決める重要な役割を果たしていたエデルマンは、WRとしてはわずか7人目のスーパーボウルMVP受賞となった。

 エデルマンは通算レシーブヤードでトップ100にも入っていないなど通算成績の数字は比較的に低いものの、今回のスーパーボウルで見せたパフォーマンスは、米国プロフットボール殿堂(Pro Football Hall of Fame)入りを後押しするものになるとみられる。

 QBとしてNFLで活躍したブーマー・アサイアソン(Boomer Esiason)氏は、エデルマンがビッグゲームで達成した記録は、通算成績をしのぐものになると確信しており、CBSスポーツ(CBS Sports)に対して、「私の見解では彼は殿堂入りに値する。ビッグゲームにおいて、ここぞというときに勝利に必要なプレーを見せている」と語った。

 しかしながらエデルマンの殿堂入りは、ドーピング問題によって難しくなる可能性がある。MLBで世代最高の選手と呼ばれたバリー・ボンズ(Barry Bonds)氏やロジャー・クレメンス(Roger Clemens)氏は、ステロイド時代の薬物違反をめぐり、これまで米国野球殿堂(Baseball Hall of Fame)入りを果たせていない。(c)AFP/Rob Woollard