【2月2日 AFP】ドイツで、ナチス・ドイツ(Nazi)が設置したブーヘンバルト(Buchenwald)強制収容所の跡地にソーセージ博物館を移転する計画があることが分かり、「歴史認識の欠如」として抗議されている。

 ブラートブルスト博物館(Bratwurst Museum、ブラートブルストはソーセージの一種)の運営団体は、同博物館を現在のホルツハウゼン(Holzhausen)からミュールハウゼン(Muehlhausen)へ移転する計画を立てていると発表。劇場やホテルも併設される予定だという。

 しかし、ミュールハウゼン地域は、1937年から1945年にかけてナチスが25万人近くもの人を収容したブーヘンバルト強制収容所があった場所だ。約700人のユダヤ人女性が収容されていたこの地区は、観光地として再開発されようとしている。

 収容者たちはアウシュビッツ・ビルケナウ(Auschwitz-Birkenau)強制収容所からブーヘンバルト強制収容所に移送されて近くの武器工場で働かされ、働けなくなれば再びアウシュビッツの死の収容所に戻されると脅されていた。ブーヘンバルトでは、ナチスによる殺害や病気、寒さや餓えで5万6000人が死亡したと推定されている。数千人のユダヤ人のほか、少数民族ロマ(Roma)人やナチスの政敵、同性愛者やソビエト連邦の捕虜らが命を落とした。

 博物館建設をめぐる騒動の中、地元町長は地域のユダヤ人コミュニティーやブーヘンバルト追悼財団(Buchenwald Memorial Foundation)と協議している。(c)AFP